ばかおもろい

良いです

主人公変更は少し悲しいですが、ほんとに良い漫画です15巻が楽しみです

良い

どんぶり勘定で1500万円くらいです

最近の展開で、なんか『NOPE』っぽいよなぁ?と思ってたらやっぱりかって感じだけど、そんなんどうでもいいから今僕たちが向かい合うべき作品は『シン・仮面ライダー』だしそのドキュメンタリーだろうに。　前巻っていうか『さよなら絵梨』からのこの感じで来るなら「なにがなんでもやってやる」んだろうなと待ってたら、指パッチンから体が匂うとか、ケツ叩きに2人分のコーヒーとか、がっつり『シン・マン』ネタを仕込んでくる用意周到な男がシンライダーを見ないわけがないし、ジブリはもちろん『シン・エヴァ』ドキュメンタリーまで欠かさない男が庵野さんのドキュメンタリーを見逃すわけがない、ということは信じられる。　ていうかもうね、明らかに僕たちは調子に乗っていたよねっていうか。なんか『さよなら絵梨』とかいうトリビュートアルバムみたいなやつ描いちゃってさ、それも世間を煙に巻きつつ評価もされちゃってさ、シン・マン見たらまたぞろ庵野さん好き好きスペシウム光線放っちゃってるけどもさ、そういうのはもう全く相手にされてないんだなっていうかさ。　「まあ僕も、このくらいのことサラッとやれますけどね」的な感じでドヤってたんだよね。アサとか伊勢海とか使って暗に批評してたくせにさ、僕たちの方が宮沢雪野だったんだよ。シン・マンのお祭りムードに調子良くしちゃってうっかり仮面を忘れてたのさ。井の中の蛙だよ、油断大敵。　「お互い30で、もう歳とったな〜」みたいな雰囲気出しちゃった自分もすっごい恥ずかしい。あっちはライダー生誕50周年記念企画だって言うじゃない。こちとら17からのたった10数年じゃ歴史の重みでまるで相手にされてないってこと。だからこそ、その幸福の昇天も辛苦の墜落も同時に味わえているんだからやっぱり僕たちは幸せ者なんだ、と思うことにする。　そこで思うことは、「見る目あり！」とか言ってるけど藤本くんが映画の、庵野さんのどこが好きなのか、どこを見てたのかっていうことが、これまでもうっすらとわかってはいたことではあるが、ここで確認する。　絵梨でもプロットの段階でさんざん難航してたように、チェンソーマン第二部のサブタイトルでの「セイブ・ザ・キャット」の引用のように、藤本くんが映画で重視しているものはやはりシナリオ、脚本であり、さらに言えばその背後にある「教養」に他ならない、とさえ言っていいと感じる。　そういう頭脳明晰な男だからこそ、シン・ライダーの真紅(辛苦)のマフラーを、信じて託すに値する男だと庵野さんから選ばれていると言ってもいいと思う。それはうぬぼれではない、と僕は信じる。　シン・ライダーの脚本と照らし合わせれば、あのドキュメンタリーで庵野さんが求めていた画であるとかその現象、というべきものも自ずからわかるというものだが、それを理解するための「教養」というものを現場にいた誰も持ち合わせていなかったことが不幸なのだ。(仮にわかったとして再現できるというものではないことがまた厄介なのだけど)　この「教養」とは、「共通言語」と言い換えてもいい。それはオタク的な「知識」の羅列とは違う。(とはいえ、にわかの僕も一文字のベルトのシャッターがキレイに開かない、みたいなヤツはもう大好き！)だからアサの話す「豆知識」「雑学」は面白くなくても、藤本くんの話すことは面白く、魅力的で、聞くに値する「教養」を語ろうとするから好きになれる。　そうしてその教養を脚本や映像として言語化し、時代を越えて別の誰かへ伝えていくこと。それを「継承」と呼ぶのだ。　今回映画で語られた庵野さんの「幸福論」というのも、チェンソーマン第一部にもだいぶ近いと思えるのは、ただ単純に僕たちが庵野さんや宮崎さんのことが子供のころから好きで憧れているから知らず知らずに近づいていただけ、と言えそうなのだが、近づき過ぎたがゆえにプラーナを吸われてしまう「幸せ」と「辛さ」を抱えている。　シン・ライダーの「本郷猛」は、手にした力で自分も周りも不幸にしてしまう「シンジ」や「アシタカ」と、自分の幸福のために周りを不幸にしていることに無自覚な「堀越二郎」の融合で、大好きなもののダブルライダーキックを食らって僕の心はもう全治1年の複雑骨折状態なのだけど、やはりライダーが変身するとき、シンジがエヴァに乗るとき、アシタカの右手が暴れるとき、二郎の飛行機が空を飛ぶとき、そこに死ぬまで解けない呪いと、生きている人の血が流れるのだということを改めて感じる。　最後に申し訳程度にチェンソーマンの話をすれば、ペンギンの和名が「企鵝(きが)」だから「キガちゃん」だっつってまた懲りもせずやってますが、それは『ヘルタースケルター』とか『ブラックバード』とかを「黙示録書」としてではなく「フツーに聞いて」欲しいからだと思います。　あとはやっぱりアサのモデルにはシンジの「ヤマアラシのジレンマ」が入ってるんで、その「近づいたり離れたりを繰り返す」という運動を「Reciprocation」というテーマに当てはめていることは一文字よろしく「いいね〜」と言いたいところだけど、「なにがなんでもやってやる」という更なる突貫と泥仕合を「ではお見せしよう、変身」というところで御期待下さい。

娘が読んでます。気持ち悪いのに。

ありがとうございました！